函館の朝市では、しょう油をかけると暴れ出すイカを乗せたどんぶりが名物らしい。
文字情報だけではイマイチよくわからないが、
ネットで検索して動画をみてみると、これが思いのほか衝撃的。完全に動かなくなっていると思しきイカにしょう油をたらした瞬間、鬼気迫るイカの断末魔がテレパシーのように直接あたまに響きはじめる。足がピクピク。吸盤がウネウネ。
「は、函館のひとたちは、新鮮さに酔ってしまっているのではないか‥‥!」
そんな気にすらさせる動画だ。
そういえば何年か前、同僚となんとなしに入った居酒屋が魚の新鮮さを売りにしていて、店のいけすの魚をその場で捌いて活け造りにする、ということをやっていた。
「いいねえ、新鮮な刺身で一杯やれるねえ」
と、楽しみにしていた僕らだったが、正直認識が甘かったんだと思う。胴体の半身が捌かれて刺身になり、それが残りの全身に盛り付けられて現れた活け造りは、まず目がぎょろりと動いているし、ひれやしっぽもピクピクしている。「うわあ!」と叫んで椅子から転げ落ちた同僚は、「成仏してくれえ、成仏してくれえ」と呟き始め、あまりのことにあたまがおかしくなってしまったようだった。
ついには全身が「びくん!」と跳ね上がり、盛り付けられていた刺身がテーブルに飛び散ってしまった。仕方なく呼び寄せた店員のお兄さんは、その惨状をみるやいなや腹を抱えて狂ったように笑い出したので、それを横目に僕らは店を出た。新鮮さはひとを狂わせる。これは魚に限った話ではないなと、僕は考えるのだった。うそ。
※次のライブは、8/5(金)大阪 心斎橋 [ パルチザン ] です。ぜひぜひ!
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