日曜の早朝。テレビで料理番組をやっていた。
アナウンサーと思しき女性が助手をして、料理人の男が調理の説明をしながら腕をふるう。今日のメニューはメンチカツのようだ。
ぱっと見は普通の料理番組なんだけど、10秒も見ればどこかがおかしいことにすぐ気がつく。料理人の男のテンションがやたらに高い。
例えば、ハンバーグを作る要領で両手で肉を叩く。女子アナが「どうしてこうやってお肉を両手で叩くんですか?」と聞く。よくあることだ。
「ハッハハハハ!楽しいからですよ!」 と、陽気に応える料理人。
「え、、、あ、あの、なんか形が崩れないように空気を抜くとか・・・聞いたことがあるんですけど」 と、困りながらも何とかフォローしようとする女子アナ。
「ああ!まぁそれもね、あるんですけどね。やっぱり楽しいからやるんですよ!ハッハハハハハハ!」 更に陽気な料理人。小躍りしながら肉を叩く。
終いには揚がっているメンチカツをひっくり返した時に、
「ホラ!こんがり”たぬき色!”おいしそうでしょ!ダッハハハハハハ!!」 と、言うも
女子アナついにスルー。
試食もせずに番組は終わった。日曜の朝だというのにどことなくブルーである。