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年末のニュースだけど、全体から漂うアンニュイな感じがなんだか胸につっかえる、消化不良な記事があったので紹介します。早速書いてある順に追っていこう。
「食べられないのに・・・9年前のシナモンロール盗難」 これが見出しだ。それなりにユニークな内容は期待できるが、本文の冒頭はこうだ。 ”アメリカはテネシー州ナッシュビルの喫茶店に展示されていた模様がノーベル平和賞受賞者の故マザー・テレサにそっくりのシナモンロールがクリスマスの25日に盗まれた。” 1度目の流し読みではちょっと理解しにくい文章に仕上がっている。2度3度読み返して、ようやくどこに読点を置いたら良いのか見えてくる感じだ。更に理解できたらできたで、ノーベル平和賞受賞者の故マザー・テレサ模様のシナモンロール。というのがいまひとつ伝わってこないというか、霧に包まれているというか、とってもイメージしにくい。 で、まぁそのマザー・テレサ模様のシナモンロールが盗まれた訳だけども、犯人はまず店に侵入、その後ガラスケースを割り、近くにあった現金には手も付けず、マザー・テレサ模様のシナモンロールだけを持ち去った。ガラスケースを割る物音、そのリスク。現金では満たされない何かが犯人にはあったのだろう。世の中金じゃない。 このように現状を把握させたところで、記事は意外な展開を見せる。初登場の店主のコメントだ。 ”店主のバーンスタインさんは「なんで盗むんだろう。食べられないのに」と不審顔” なんと、そのノーベル平和賞受賞者の故マザー・テレサ模様のシナモンロールは食べられないらしい。シナモンロールではあるけれども、食べることは出来ないらしいのだ。 さぁ、このノーベル平和賞受賞者の故マザー・テレサ模様のシナモンロールは何故食べられないのか。実はこのシナモンロールは1996年に作られ、購入した客がかじりつく寸前にシナモンロールの模様がマザー・テレサに似ていることを発見。それ以来店内に展示していたものだった。熟成の9年物だったのだ。さぞ酸味が効いていたことだろう。 たいそうにガラスケースに入れ9年も展示していたことからして、相当マザー・テレサに似ていたのだろうが、それにしたってこのバーンスタインさんにも「それはどうなんだ」と言いたい気持ちも沸いてくる。 記事の最後を締めくくるのは、バーンスタインさんがこのノーベル平和賞受賞者の故マザー・テレサ模様シナモンロールの写真を使ったTシャツやコップを販売し始めたが、マザー・テレサ側からの要請でとりやめたことがある、というトドメの胸焼けまでしそうなエピソードだ。 はっきりと強盗を働いたはずの犯人がおり、誰が悪いのかも明確なはずなのに、なぜこんなにもこの話を消化できないのか。それは多分、この件に絡まるそれぞれの逸話が、どれをとっても腰くだけなやっちゃった感に包まれており、果たしてこの事件に善悪の区別など付ける必要があるのか、ということを解らなくしているからではないだろうか。 それが証拠に、見出しでは「食べられないのに何故?」と、何故そんなことをしたのかという流れに持っていこうとしている節があるのにも関わらず、記事中では一度も動機に触れていない。というか、肝心なそのあたりの事件の概要についての情報が、余りにも書かれていないのだ。 おそらくこの記事を書いた人も、書こうとすればするほど、この事件において善悪などどうでも良いことではないか、と感じてしまったのだろう。そうだ、誰も悪くなんかない。9年前に焼いたシナモンロールの模様がマザー・テレサにそっくりだなんて、そんな訳の解らないいたずらを起こす神様が悪いのだ。ジェルソミーナの歩いた道で、時の流れに身をまかせよう! 結果的に、僕自身も何を言っているのかよく解らなくなった。
by lofibox
| 2006-01-05 14:46
| ノーマルコラム
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