ネットサーフィンをしていると、バレンタインデーの広告を見つけた。なるほど、2月14日に向けてバレンタイン商戦もいよいよ本格化というわけである。
・こだわり美食OLが井戸端会議で選ぶチョコって?
・あげたい 食べたい 極上チョコレートが大集結
などとキャッチコピーも踊る。リンクが付いていたので飛んでみると、見た目も綺麗でアーティスティックなチョコレートがズラリと並んでいた。華やかなページにスウィートな言葉。It'Sバレンタイン。
と、まぁそれはいいんだけど。
その広告をよく見ると、それらの甘いコピーの中に、こんな異端児が紛れ込んでいた。
・家族で過ごすバレンタインには、お取り寄せグルメ
・・・この一気に漂う悲壮感はどうだろう。
「家族で過ごすバレンタイン」という言葉は果たして成立するのだろうか。そこから何が生まれるというのだろうか。思い出される母親からのチョコレート。祖母からのチョコレート。そして妹からのチロルチョコ。どの記憶も決して甘くはない。唇をかみ締めるが如くビターである。
そもそもこのコピーはいったい誰をターゲットにしているのか?いや、正確にはわざわざバレンタインにそこをターゲットする必要があるのか?疑問は尽きない。
そしてやはりリンクが付いていたので飛んでみると、そこに広がっていたのは一面の「カニ特集」だった。
何故だろう。写真のカニが美味しそうであればあるほど、悲壮感は加速していく。カニから身をほじくりだすあの無言の作業が、およそバレンタインから最もかけはなれているからだろうか。
ちなみにカニ特集の隣には、「インスタントラーメン味くらべ」などという特集まであった。これでトドメだ。ここまでくるとわざととしか思えない。