「カレーとラーメン、一生どちらかしか食べられなくなるとしたら、どっちにします?」と、後輩に聞かれたことがある。
いわゆる「究極の選択シリーズ」なんだと思うが、それにしても唐突な質問だ。ウーンと考えてみるも、どちらも失いたくないなぁ、と思うのが精一杯。
「どうしても選ばなきゃダメです」と、妙にすごんでくる後輩に、「じゃあ、カレーかな」と僕は答えた。なんとなく、カレーの方が飽きがこないかな、と。
するとどうだ。後輩は少しがっかりしたように「カレーはないでしょう……。ラーメンですよ」と、僕を否定しにかかるのだ。なんだそれは。他愛もない質問じゃないのかこれは。
後輩は、僕の大好きな「どっちの料理ショー」による、「カレーVSラーメン」を元にしたデータまで持ち出してきて、僕のカレー説を崩そうとする。最初はどちらでもよかった僕も後輩の気迫に気持ちが高ぶり、全力でカレー派を支持。
しかし実際に論争してみると解るが、この対決、どうもカレーが不利になりやすい。ウンコっぽいとか、カレクックはラーメンマンよりマイナーだとか、インドは遠いとか、説得力はさておいても、突付かれるネタが多かった。
まぁどうにも劣勢であるし、徐々に疲れてきたので、「ラーメンは麺の種類も豊富ですからね!」 という後輩の弁にひっかけ、
「うんうん、そうかもしれない。じゃあそれで”手打ち”といこう」 と、結論を待たず打ち切ったのだった。