まずは昨日のライブに来てくれたあなた。ベリーサンキュー。そして次なる注目は6月24日、ワタクシの誕生日に同じく十三テハンノにてライブします。これはホント、是非ね!よろしくね。
さて本日のコラムは、先日電車に乗っていた時の話をしよう。
その日は昼から外出しており、日が暮れて辺りも暗くなる頃、家路を急ぐ人々の中に紛れて僕は電車に乗り込んだ。それなりに混雑する時間帯だった。
僕は座席の前のつり革に捕まって立っていたのだが、電車の中というのはどうにも視線を定めにくい。その時も僕は、どこに視線を定めようかとキョロキョロしていた。
その過程でふと視線を落とすと、目の前の座席に座っている年配の男性が漫画コミックを読んでいる。 「ああ、あの漫画だ。」 僕はその漫画を読んだことがあった。
・・・ここで僕は妙な違和感に襲われる。何かが不自然だ。
状況を整理する前に、僕は自分が感じた違和感が何だったのかを冷静に考えてみた。
・・・そうだ、その漫画の内容を認識するのに要した時間が、あまりにも一瞬過ぎたのだ。
何かが解りかけた気がした。そしてその冷静なままの状態で、再び視線を落とす。Oh ジーザス。なんてこったい。
僕は全てを理解した。そう、男性は漫画コミックを逆さに持っているのだ。
更によく見てみれば、男性は漫画コミックを広げたまま眠っているようだった。よほどの眠気に襲われたのだろう。広げた漫画が逆さである事にも気づかぬまま、男性は夢の国へ誘われたのである。
僕は視線をそこに定めることに決めた。そしてめくられることのないその漫画の2ページを、最寄り駅につくまでの間、何度も読み返した。
その2ページは何の展開もない退屈な2ページだったけど、逆さ向きの漫画コミックは、僕からはとても読みやすかったんだ。