昨日、母校の後輩であるT君が、何だかわからないけれどとにかく上京をするというので、その送別会のようなお酒の席に足を運んだ。まったく向こう見ずな話である。
T君を見送る為の集まりではあるものの、やっぱりみんなはそれぞれの話に花を咲かせ始める。そこら辺りはドライな方がいいのだ。そんな中、僕の周りにはどうも「サッカー大好き」な人たちが集まっており、話題は自然と目前に迫ったワールドカップへと及んだ。
だがこの日の僕は、どうも脳みその調子が相当に良かったらしく、耳に入ってくる単語がどんどんと形を変え意味を変え、頭の中を引っ掻き回し始めた。何度も「ワールドカップ」という単語が耳に入るうちに、なんだかその内容がおっぱいの話に聞こえはじめてしまったのだ。ここまで来ると早々元の世界には戻れない。おっ、ちょっくら出かけて来るよ、てな具合だ。
それにしても、Aカップ、Bカップ、Cカップ、Dカップ、Eカップ、Fカップ・・・ ときて、ワールドカップである。実に世界一にふさわしいネーミングではないだろうか。そうさ、ワールドカップに輝いた選手には、大会主催者から一見トロフィーにも見える形のワールドカップブラが贈られる。そしてそのワールドカップなブラにそっとキスをして、両の手で高々と掲げるのだ。苦楽を共にしてきたサポーターたちも、涙を流してその瞬間を喜んでいる。会場のボルテージは最高潮!みんなで分かち合うんだ!このワールドカップの興奮を!うわあああああああ
だいたい30秒ほどで、僕はこっそりと帰って来た。留守にしていたことなど誰も気づいてはいない。何食わぬ顔をして、サッカーの祭典である「ワールドカップ」の話に加わる。うんうん、確かに中村俊輔選手は闘志がなさそうな顔をしているけれど、いつでも凍死しちゃいそうな顔でもあるよね。
そして、テーブルの「店員さんを呼ぶボタン」が目に入った瞬間、「サッカー選手もつけ乳首」というフレーズが頭に浮かんでしまい、再び僕が旅に出るのはそれから20分後の事だった。