『響きが気に入っている』 そんな言葉が誰しもあると思う。
僕の場合、そのひとつに「ざんぶろった」という言葉があった。家にひとりで居る時、何かしらのきっかけでにわかにテンションが上がってくると、勢いよく弾むように「ざんぶろったぁ!」と叫ぶ。何年か前に耳に入り、その勢いが気に入ったのだろう。
ただ、その度に心の片隅に引っ掛かるのは、その「ざんぶろった」という言葉自体がなんなのかを僕はすっかり忘れていて、自分が叫んでいるこの単語の意味がさっぱり解らないことだった。
ところが、思いもよらぬところから僕はその答えを得る。その鍵は、そろそろ世間の熱も冷めつつあるワールドカップにあったのだ。
何気なくテレビ観戦していた僕の耳に、突如として「ざんぶろった!」という言葉が飛び込んできたその瞬間、僕は思わず声をあげた。
そう、「ざんぶろった」は、イタリアのサッカー選手だったのだ。
答えは舞い降りた。何年も心の片隅に引っ掛かっていたモノがすーっと溶けて、清々しい風が吹き抜けるのを感じた。もう迷う必要はない。明日からは新しい気持ちで、より勢いよく叫ぶことができる。ホップ・ステップ・ザンブロッタ!よく解らないがそんな感じだ。
ちなみに、かなり小さい頃から「ケッコネン」という言葉もよく口にしているが、こちらも完全に意味を忘れており、なんのことだかさっぱり解らない。