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ガチャピンがブログで日記を書き始めたらしい。
これは只事ならぬ動きだと思う。というのも、ガチャピンのポジションというのはウルトラマンやミッキーマウスと同じ、いわば子どもたちが見る自由な夢をサポートするような存在であるはずだ。そんなガチャピンが生活観溢れる日記など書いてしまっては、イメージが崩れてしまわないだろうか。
そんな僕の心配は的中してしまった。「今日はテレビを見ていて夜更かししちゃった」などと、ガチャピンの日常が赤裸々に綴られているではないか。夜更かしをしてテレビを見ているガチャピン。それで寝坊した翌朝は、歯も磨かず、ヒゲも剃らずで遅刻ギリギリのガチャピン。そういうことだって想像できてしまう。
「今日で便秘10日目です。つらいよぉ~」そんな報告もありえるかもしれない。そんなガチャピンは知りたくない。知るのが怖い。11日目にして解消されたとしても、スッキリしましたなどと聞くのはさらに辛い。
もっと言えば、本当に怖いのはこの流れにムックが乗ってしまいかねない事だ。その生態的不条理のポテンシャルはガチャピンの比ではないムックである。ムックの目覚め、ムックの食事、ムックの就寝、ムックの苦悩。その全てを具体的に想像させられるのは、夢見が悪くなりそうな気さえする。
いつまでも妖精のような存在で居て欲しい。僕は心からそう願うのだった。