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ここ3ヶ月ほど、よく行くようになったカレー屋さんがある。飽きの来ない香ばしいカレーはとても美味しく、漫画雑誌が豊富に置いてあるのも嬉しい。
最近のカレー屋さんでは、辛さの度合いを好みに合わせて注文できるところがあると思うが、このカレー屋さんでは通常の辛さを1として、6段階まで選べるようになっている。
だいたいこういう類の選択肢は、「その上の方の段階は誰が注文するんだ」ということになっているのが相場である。割と若い数字の段階から、ものすごい量になっていたり、ものすごく辛かったりするものだ。
僕も、よく行くようになった最初の頃は通常の1の辛さで食べていた。それで十分満足だった。
しかし、豊富に揃っていた漫画雑誌もさすがに読みつくしてくる頃、僕は辛さを2で頼むようになった。最初は十分辛いと思っていた通常の辛さに慣れてくると、もう1段階上でもいけるんじゃないかと思うようになったのだ。それは僕の中にくすぶっていたフロンティアスピリッツの目覚めであったように思う。
そして3ヶ月たった今、僕はカレーを3の辛さで食べている。正直、あまりの辛さに涙が出そうになることもあるが、「まだいける」そんな気もしている。
てっぺんを見極めたい。ただそれだけを胸に。