514号 「ナイスクリーニング!」、533号 「ナイスマッサージ!」と続いてきた、ナイスシリーズ。そしてついに、このナイスシリーズを3部作として締め括るに相応しい店舗を発見してしまった。
さらに今回は、デジカメ、携帯電話のカメラ機能の両方を失っていた僕が、ついに新しい携帯電話の購入を決断したことにより、画像付きで紹介することが出来る。そういう意味では、今回のコラムは3部作の締め括りであり、また犠牲フライ定食に画像が戻ってくる節目の回でもあるのだ。
さあ、ご覧頂こう。
薄汚れつつもカラフルな看板に、丸みのあるゴシック体が踊る。年代を感じさせながらも、ハイカラな感じを忘れない。実に趣のある佇まいと言える。
注目したいのは、これまでのシリーズでは、ナイスなクリーニング、ナイスなマッサージと、その店のサービスを爽やかに誇り、アピールするものであったのに対し、今回のお店ではナイスなのはショップなのだと言っている。そしてふと視線をずらせば、前置きしてある「大人のおもちゃ」の文字。
ちょっと見ただけでは、ナイスショップだけを切り取って考えてしまい、「これでは何とも大きく括り過ぎていて、必要なことは何一つ言えていないんじゃないか」と思いがちだが、取り扱っているのが大人のおもちゃなのであれば致し方ないだろう。
恐らく店内には、携帯電話の普及のおかげでようやく市民権を得て、人前で口にしてもはばかられなくなった『バイブ』などがずらりと並んでいるのだから、それを堂々とナイスに繋げてしまってはPTAが黙っちゃあいない。この店名には、そういう苦悩が隠れているのだ。だからこそ、このナイスシリーズ3部作を締め括るのにふさわしい。
この僕も、いつか自分のことをこんな風に爽やかに誇れる時が来たら、「ナイスシミズ」と名乗ってみてもいいかもしれない。その為に乗り越えなければならない大きな壁、それはきっと『羞恥心』なんだと思う。