人気ブログランキング | 話題のタグを見る

生乾きの与太話をモゾモゾと書いてます。口元が緩めばしてやったり。日々の隙間に挟んでどうぞ。
by lofibox
カテゴリ
全体
ノーマルコラム
長編「YAKYU」
以前の記事
2020年 05月
2018年 08月
2018年 02月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2015年 12月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 07月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 04月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月
2009年 11月
2009年 10月
2009年 09月
2009年 08月
2009年 07月
2009年 06月
2009年 05月
2009年 04月
2009年 03月
2009年 02月
2009年 01月
2008年 12月
2008年 11月
2008年 10月
2008年 09月
2008年 08月
2008年 07月
2008年 06月
2008年 05月
2008年 04月
2008年 03月
2008年 02月
2008年 01月
2007年 12月
2007年 11月
2007年 10月
2007年 09月
2007年 08月
2007年 07月
2007年 06月
2007年 05月
2007年 04月
2007年 03月
2007年 02月
2007年 01月
2006年 12月
2006年 11月
2006年 10月
2006年 09月
2006年 08月
2006年 07月
2006年 06月
2006年 05月
2006年 04月
2006年 03月
2006年 02月
2006年 01月
2005年 12月
2005年 11月
2005年 10月
2005年 09月
2005年 08月
2005年 07月
2005年 06月
2003年 02月
2003年 01月
2001年 01月
検索
その他のジャンル
記事ランキング
567号 「レッツプッチン」
 少し今更な話ではあるが、コンビニ限定で売られていた「ハッピープッチンプリン」。みんなは食べただろうか。

 このプリン、何がハッピーかって、とにかく「デカい」。通常のプリンの3.6倍もあるそうで、実際の見た目もかなりの迫力。中心から均等にデカくしたと言うより、「ムリヤリ等身を伸ばした」というイメージで、見た目のバランスがかなり不恰好なのだが、ポイントはまさにそこだ。迫力とは、例外なく「ヤケクソな感じ」に宿る。


 さて、この「ハッピープッチンプリン」であるが、やはり気になるのは動機である。いきなりこんなデカいプリンが売り出されたのは何故なのか。

 この動機について、友人が小耳に挟んだ情報を聞かせてくれたのだが、それが実にグッとくる内容で僕は胸が熱くなった。


 話によると、どうも販売元の人たちは「どうしたらもっとプッチンして貰えるんだ……」と、日々悩んでいたらしい。なるほど、言われてみれば僕も、もう随分とお皿にプッチンしていない気がする。「洗い物が増える」というリスクもあるし、「私は毎回プッチンしています」という人は少なそうだ。

 そこでこの発想である。下手な広告戦略も、啓蒙活動も必要ない。

 「プリンを……、デカくするんだ!」


 まさに、プッチンプリンの本質を愛する人たちの情熱が生んだ、シンプルかつクリティカルな結論。みんなも一度は覚えがあるはずだ。ツメをプッチンと折ると、窮屈なカップから解放されたかのようにプルンプルンと躍動するプリンへの憧れ。

 そう、あの純粋な感情を再び呼び起こさせる為に、プッチンプリンはデカくなったのである。恐らく、かの有名な配管工「スーパーマリオ」の存在も、この発想に無関係ではないだろう。


 この友人の話が本当かどうかは定かではないが、こういう感情に訴えかける発想を僕は大いに支持したい。そしてこの話を耳にした僕は、数日後にはテーブルを前に「ハッピープッチンプリン」と対峙しており、あの頃の純粋な僕との再会を果たしている。


 さぁ、「これでもか」とばかり大袈裟に書いてみたが、もし心の奥に僅かでも衝動を感じたならば、少しも迷うことはない。プッチンしない限り食べにくいだけの波型カップにイライラする君とは、今日限りでバイバイさ。
by lofibox | 2007-11-26 20:21 | ノーマルコラム
<< 568号 「珍珍」 566号 「赤パージャーマー」 >>