ちなみに苗字は「海藤」らしい。磯野でいいじゃん。
なんとも意外というか、不意をつかれたマチャムネのお手柄。イレギュラーながらもうぐいすが抱える難問に少しの光を見せる。この鰤助何某の実力はいかほどのモノか気になる所ではあるが、とりあえず腰は曲がってないし、腹まわりも出過ぎた真似はしていない。もう、それだけでいい。それだけで安心。ヒトでさえあれば。
本当は最低2人新メンバーが欲しい所なのだが、そう贅沢は言ってられない。とりあえずデブかじじぃかの選択肢が出来たのは大きいのだ。そう信じてみてもいいですか。
とにかく面接をして、それから実力を見たい。ルーキー鰤助を連れて木陰から砂浜の方へ向かう僕とオヤジ。
と、なんだか砂浜の方にいた他のうぐいすの面々がなにやら騒がしい。騒がしいというか、ヒステリックな奇声まで聞こえる。あれっ この声には聞き覚えがないなぁ。
「入れえ! 入れえ! 入れえ!」
えっ なんだこのセリフは
「入れえ! 入れえ! 入れえ!」
うわっ 耳鳴りかこれは
「入れえ! 入れえ! 入れえ!」
鳴り止まない。止まない入れえはない。じゃなくて。
「おいおい幻さん、これはぜんたいどういう騒ぎなんだい」
「いやどうも、これはキチガイですな」
「キチガイか」
キチガイらしい。
「女のようだが?」
「キチガイですな」
「あの出で立ちは尼僧ではないのか」
「ん、まぁ キチガイですな」
キチガイらしい。
まぁまぁ、コッチはルーキー鰤助のスポーツテストをしなければならないんだ。早々にお帰り願わなければ。と、僕はキチガイを見やる。
ん。
・・・あー、おかしな物が目に入った気がするな。イヤ、まさかね。そんなそんな、はらたいら。ハハハ、目をゴーシゴシとこすって、さぁもっかいピュアな気持ちで見よう。えーと・・・
「あれっ、空ちゃん!あの女が持ってるの、オイラがばら撒いた広告だよ!」
ぁぁぁぁ 涙が耳から
マチャムネよみなまでいうでない・・・
「もしかしてあの女も面接に来たんじゃない!?」
いうなって
うっ 頭痛が・・・
バファリンとリセットボタンを所望。